アナーキー・イン・ザ・1R

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超絶☆鬱ドラマ「チェルノブイリ」

こんにちは。

Amazonプライムビデオで「Upload」というドラマを観てからというもの、すっかり海外ドラマにハマっているあたいです。

lastdays.hatenadiary.org

この「Upload」は本当にお勧めです。シーズン2を待ち侘びています。

あれからというもの面白いドラマを探しまして、警察ドラマ「BOSCH」をシーズン6まですべて観てやりました。各シーズン10話の構成でしたので合計60話。ハマりにハマってすごい夢中でした。これもまた感想書きたいなと考えています。

さて、60話はしんどいけれど、5話なら如何でしょう。1話60分程度で5話で完結なら結構軽い気持ちで観ることができるんじゃないでしょうか。

そんな「ちょろっと面白いドラマ観てえ」というあなたにお勧めなのが2019年制作のドラマ「チェルノブイリ」です。

「ちょろっと」なんて軽い気持ちで観始めたが最後、1話観終えるごとに「ずーん」と気持ちは落ちていきます。4話を観始めるころには、つらすぎる内容に逆に笑えてきます。

それもそのはず、タイトルで大体イメージできる方も多いでしょうが、この「チェルノブイリ」というドラマは1986年に起きた人類史上最悪の事故とまで言われるソ連の「チェルノブイリ原子力発電所事故」を題材に、事故の解決に奔走する人たちや事故を隠蔽しようとする政府、原発のある街で暮らす人たちへの影響を描いたドラマなのです。

日本でも東日本大震災の影響で福島第1原発の事故が起こったことにより、このチェルノブイリの事故が再注目されました。テレビでも特集されていましたし、ここまで大きな事故ですから詳しく知っている人も多いのではないでしょうか。

しかし可哀そうな僕は残念なことにこの事故について知っていたことと言えば

・なんか爆発した

・政府が隠蔽しようとした

・風に乗った放射能が隣国などに流れ異常な放射能を検知した外国によって事故が発覚した

チェルノブイリは死の土地となり未だに立ち入り禁止区域となっている

という、実にアバウトな内容です。

ただ、今回の記事ではあくまでドラマのチェルノブイリについてにしか触れませんので事故の詳しい内容を知りたい方は以下のWikipedia先生をご一読くださいまし。

ja.wikipedia.org

ドラマ視聴後に上記のWikipediaを読んだりネットでチェルノブイリ事故関連の記事を読んだりしましたが、事故の流れや事故後の処理なんかを知りたい方はこのドラマだけでも充分知りたいことを知ることができるのではないかと思います。それくらい事実に忠実に描かれている印象を受けました。事故後の対応に当たったレガソフ博士など、主要な登場人物は実名ですし、事故が起きるまでの流れや事故後の政府の対応などはそのまま描いているようです。

ちなみにこのドラマの製作は事故当時は冷戦状態にあったアメリカです。ですのでドラマ内で使用されている言語はバリバリの英語です。

さて、こうした実際に起きた事故、あるいは事件を取り扱ったドラマですと、多くの場合が、事件・事故に巻き込まれてしまう人たちのそれまでの日常にフォーカスして、そこからその日常が壊れていく様を描いていることが多いように思います。それは事件・事故に巻き込まれてしまうことによって壊れゆく日常を描き、事件・事故を悲劇として強調して伝えるためではないかと考えます。

しかし、このドラマ「チェルノブイリ」では、いきなり1話冒頭で原子炉の爆発が起こります。何が起きているのか分からず慌てふためく発電所の所員たち同様に、観ているこちらも何故爆発が起きたのかは分かりません。

ただ、視聴者はこの事故がどれほどの厄災であるのかを既に知っています。知っているからこそ、「原子炉の爆発なんてありえない」と事実から目を逸らす責任者、原子炉の爆発などとは露ほども思わず見晴らしの良い橋に集まり火災を見物して大量の放射能を浴びる人々、原子炉の近くで消火活動をする消防署員たち、飛び散った黒鉛を拾い上げる人、そして妊婦でありながらも被爆した消防隊員の夫に触れ見舞う女性など。既に何が起こったのかを知り、その行為がどれだけの悲劇をもたらすのかを知っている視聴者からすれば、これほど残酷な描写はありません。

また事故後に周辺住民たちを避難させた後に、土地に残り大量の放射能を浴びた動物たちを撃ち殺していくという描写もあります。動物と一緒に暮らしている方は観るに堪えない場面だと思いますので注意です。

さらに大量の放射能を浴びた原発の所員や消防隊員、彼らの皮膚が徐々に壊れ人としての形を失っていく様などショッキングな映像が次々と流れてきます。いくらドラマだと分かってはいても、心に受けるダメージは相当です。

このように様々な事故の被害者たちを描くことによってこの事故がどれだけ悲惨なものであったかが5話構成の中盤3~4話辺りで伝えられます。

そして5話が事実究明です。最初にお伝えしたように、1話ではいきなり事故が起こりましたから何故この事故が起こったのか、その原因は最終話まで明らかにされません。その事故原因の究明が最終話5話でなされます。特に法廷でのレガソフ博士の原子力発電の仕組みの説明は不勉強な僕には大変な学びとなりました。もしかすると現代ではまた違うのかもしれませんがとても分かりやすかったです。

体面、面子、それらを守るため嘘に嘘を重ね、その代償として起きたのがチェルノブイリの事故であることが明かされて、このドラマは完結します。

見ごたえは充分。観始めると止まりませんが、気持ちは沈んでいきます。もう本当にずっと地獄を見せられ続けますから。気持ちが元気な時に観てください。

現在はスターチャンネルYOUTUBEGoogle Play Videoで視聴できます。いずれも有料です。

下はAmazonプライムビデオ内のスターチャンネルのリンクです。7日間無料体験やってるみたいなんでよろしければ。


#1 『1時23分45秒』

もっと多くの人に観てもらえるようにNHKで放送しても良いんじゃないかと思うけど。もしくはBlu-rayが発売されていますので、興味のある人はそちらもチェックしてみてください。

またこんな記事もあります。

vdata.nikkei.com

しかしドラマを観終えてから気付いたんですが、事故の原因が分かったところで何も解決はしてないんですよね。燃料棒の放射能が収まるまで10万年かかると言われています。2016年に完成した原発を覆うシェルターにより、今後100年は封じ込めが可能だと言われていますが、それまで管理は続きますし、100年後にまたツケを払うことになります。

福島もそうですが、風化させないように知っておくことが大切じゃないかと思います。

 

最後までお付き合いありがとうございました。

それでは、また。

相合傘≒密?

6月。

梅雨の季節という事もあって傘を手にする機会が多い。

街を歩けば色とりどりの傘が視界を彩り、見ているだけで楽しい気分になる。

先日、1つの傘の下で寄り添いまるで2人だけの秘密を共有するかのように相合傘をして歩いている若いカップルとすれ違った。

彼らのさしていた淡いブルーの傘と彼ら自身から発せられる初々しい雰囲気が合わさった、新緑のような空気感に思わず胸が温かくなった。

しかし、同時に「相合傘」というワードで私の頭に浮かんだのは「相合傘は3密には該当しないかしら?」という、ロマンもへったくれもない考えだ。

当然屋外であるし、すれ違ったカップルは2人ともマスクをしていた。該当するのはせいぜい「密接」の項目であろうが、そこまで心配していたら日常生活は立ち行かなくなる。

驚くべきは相合傘を見て「相合傘は密?」なんて野暮なことを考えてしまった、昨年なら絶対に考えもしないであろう自分の思考回路だった。

それは私に、間違いなく自分はコロナ後の世界に生きているのだと感じさせた。

新型コロナウイルスは私たちの生活を変え、そして人との距離をも変えた。

コロナ以後、リモートワークやオンライン飲み会なんて言葉が日常的に使われるようになり、直接顔を合わせなくてもパソコンやスマホさえあれば、自宅からオンラインで友人や同僚に会えてしまえる。それはとても便利だけれど「会う」ってのはそういうことなんだろうか。いや、もしかすると、そうやって疑問を挟む余地も与えないほどに、それが「会う」ってことになるんだろうか。それが淋しいだとかそれが嫌だなんて我儘が通じなくなるくらいに、それが日常になる日が来るのかもしれない。

コロナ以前の当たり前が少しずつ変わり、新しい当たり前が作られようとしている今。

例えば先日書店で見かけた、おそらく礼儀としてマスクをずらして店員さんに問い合わせをしたら「マスクをしてください」と注意されて激昂していた年配男性のように。

これから時勢と自分の価値観との違い、そのギャップに戸惑い苦しむ人は増えていくと思う。

制度や価値観、そして暮らし方。新しいものが増えて、古いものは消えていく。

それでも。

人との距離が「距離」として語られなくなった今。

降り注ぐ雨の中、自分と同じ傘に入ってくれる人。例えその人の分だけ自分の肩が雨に曝されようとも、その濡れた肩を見て存在を感じられる人。

そんな人に「会いたい」と思う気持ちがオンラインで昇華されてしまう日が来て欲しくはないなあと思う。

淡いブルーの相合傘の彼氏は濡れた肩を彼女に拭いて貰えたのかな。

そんな日常が当たり前に過ぎていく世の中であれば良いなと思う。

 

君とはずっと はからなくていい距離を見つけたいんだよな

そう思うんだよ

信じたいんだよ

寄り添いたいんだよ

人との距離のはかりかた

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  • plenty
  • ロック
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

大切なものを大切にする距離まで変わってしまわないように。

それだけ大切にして生きていきたいのです。

 

 

臭っ。

 

今週のお題「傘」

ゾンビ映画ド素人が観た「デッド・ドント・ダイ」ネタばれあり

こんにちは。

緊急事態宣言が解除されて、全国の映画館も営業を再開してくれていますね。嬉しい。

僕が行った映画館では、座席は左右に一つ飛ばしで座るようになっていましたし、マスクしないと入場できないですし、出入り口やトイレにもしっかりアルコール消毒液が置いてあって、コロナ対策もしっかりしてくれていました。観客側としても、もし感染してまた映画館が営業停止になってしまうと悲しいので、ガッシガシにアルコール使いまくってばっちり消毒しました。

という訳で公開が延期されていましたジム・ジャームッシュ監督最新作「デッド・ドント・ダイ」を観てきました。先週の6月5日に封切られたばかりですが、8日に発表された6日、7日の映画興行成績は2位と、滑り出しは上々のようです。皆さん期待していたってことですね。ちなみに1位は「心霊喫茶エクストラの秘密」という邦画で、全く知らないタイトルだったので調べてみたらあれでした。乱暴に言うと組織票でした。

「デッド・ドント・ダイ」に話を戻しますね。

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この映画、どんな映画なのかと言えばゾンビ映画です。アメリカの田舎町を舞台にとあるきっかけで街の墓地に埋葬されていた亡骸たちがゾンビとして蘇ってわちゃわちゃやるっていう、あらすじだけ読むとよくあるゾンビ映画です。

で、タイトルにも書いてますけど、僕はゾンビ映画詳しくないです。ゾンビ映画には熱心なファンの方が居るのは承知していますが、僕は好きじゃないです。だって気持ち悪いじゃない。

そんな僕がこの映画を観た理由はただ一つ。監督がジム・ジャームッシュだから。ただそれだけであります。

ジム・ジャームッシュて誰やねん」という方もいらっしゃるでしょうから、簡単に説明しますと、ジム・ジャームッシュ監督はアメリカの映画監督でありながら、ヨーロッパの映画の影響を多く受けている監督でして、この監督の作品を説明するときによく言われるのが「脱力感のあるオフビート」という表現です。ありきたりなストーリー展開からズレた抑揚のない淡々とした見せ方が特徴です。お涙頂戴や感動の押し売り、ハリウッド的な何もかもがただ派手なだけ、といった作品群からは一線を画しているため、多くの映画ファンから支持されています。日本でもファンは多いですね。

また、ミュージシャンとの親交も深く、トム・ウェイツイギー・ポップなんかはよくこの監督の作品に出演しています。

そんな何やらオシャレ臭のするジム・ジャームッシュ監督作品をオシャレに観てまいりました。優雅にレモンティーを片手に。やだオシャレなあたい。

既に書いてます通り、ゾンビ映画なんで、ある程度物語の予想はできる訳です。なんかの異変で死人が蘇って街の人を襲って、わちゃわちゃして、主人公とヒロインだけ生き残ってキスして「完」。ゾンビ映画ってだいたいこんなんやろ。あんまり観たことないけど。

で、こんな予定調和的なゾンビ映画ジム・ジャームッシュが撮ったからこそ、「どうなるんだろう?」と映画ファンは気になるんですね。絶対怖くないんですよ。だって主演ビル・マーレイだぜ。ジム・ジャームッシュが監督で、ビル・マーレイが主演のゾンビ映画が怖い訳ないんですよ。絶対コメディなんですよ。あ、最初に予告編貼っておけばよかったですね。

如何でしょう。全然怖くなさそうでしょう。それなりにグロさはありますけれど、ホラー要素は皆無です。んで、書きながら気付いたんですけど、ゾンビ映画ってホラー映画なのかしら?なんかホラーとコメディの中間みたいなイメージありますよね。

まあ良いや。

とりあえずこの「デッド・ドント・ダイ」はめちゃくちゃゆる~いゾンビ映画でした。

ストーリーは無い様なもんで、街にゾンビが溢れて、ビル・マーレイアダム・ドライバークロエ・セヴィニーの3人の警察官がゆる~いやり取りを交わしながらゾンビたちと対峙していきます。

そしてそのゾンビ含め、この映画はちょっとした登場人物が錚々たる面子!

先述の警察官3人を演じた役者さんの他、日本刀でクールに戦う謎の女性にティルダ・スウィントン、さらにゾンビ役としてイギー・ポップにスタージル・シンプソンのミュージシャンからショーン・レノンのパートナーとしても有名なシャーロット・ケンプ・ミュールといったスーパーモデルまでがグロテスクなゾンビメイクを施して登場します。またただゾンビに殺されて生首をさらされるだけの役にセレーナ・ゴメス、雑貨屋のオタク店員にケイレブ・ランドリー・ジョーンズが起用されています。さらにさらにサラ・ドライバー、スティーブ・ブシェミトム・ウェイツエスター・バリントら初期のジム・ジャームッシュ作品の出演者も集結していますので、お目当ての出演者を探してみるのも楽しいかもしれません。

長閑な田舎町が徐々にゾンビに浸食されていくというお決まりの設定ながら、緊張感のない雰囲気で観客を煙に巻く様な映画ですので、一味違ったゾンビ映画を味わいたい方にはお勧めです。

 

さて、ではここからはちょっくらネタばれします。これから観に行く方は読まない方が良いです。下まで飛ばしてください。

 ※以下ネタばれ

あまり数を観てはいませんが 通常のゾンビ映画ではゾンビが突如現れたら「なんじゃありゃあ!」と登場人物たちは驚き、あくまで「ゾンビ」は正体不明の怪物として描かれることが多いように思います。

しかし、この映画では上に貼った予告編にある通り、アダム・ドライバー演じるロニー巡査があっさり「ゾンビですよ」とゾンビの要素をあっさりと言ってのける劇中劇要素、つまりメタフィクションの手法が採用されています。ですので首を切り落とす、頭部を破壊するなど、ゾンビの殺害方法も知っています。

しかもこの映画ではメタであることが序盤も序盤、冒頭でいきなり観客に示されることになります。

本作の主題歌はスタージル・シンプソンの書き下ろし曲「デッド・ドント・ダイ」。この楽曲を冒頭でいきなりビル・マーレイアダム・ドライバーがパトカーの中で流して「なんでこの曲かけるの?」「主題歌ですから」という会話がなされます。この時点で観客は「おや?」と思います。これは普通のゾンビ映画じゃないぞ、と。当然こちらもジム・ジャームッシュの普通のゾンビ映画なんて期待してませんからちょっとウキウキします。

そして先述のように、ゾンビが現れて小さな田舎町に異変が起こりながら、既に「ゾンビ」という設定を理解している登場人物の発言によって面倒な設定説明が省かれていますし、他にも「よくない結末になる」とロニー巡査がまるでこの映画の行く末を知っているような発言を繰り返します。最終的には「台本を読んだ」とまで!

他にもアダム・ドライバースター・ウォーズのキーホルダーを見せたり(スターウォーズ新3部作カイロ・レン役)、イギー・ポップ演じるゾンビが「コーヒー」と呟いたり(コーヒー&シガレッツ出演)とメタ要素がめためたに出てきます。

言ってしまえばこの「デッド・ドント・ダイ」はほぼ、内輪ノリのおふざけ映画です。監督の1984年の作品「ストレンジャー・ザン・パラダイス」以降ほぼ見ないエスター・バリントが出演したり、他にも過去作の出演者が集結しておりまして、まるで同窓会のよう。なんで「ミステリー・トレイン」「パターソン」の永瀬正敏は出てないんだろう。

監督自身が楽しむため、そしてファンの方が楽しむためにあるような映画ではないかと思いました。

そして劇中で世界で最初にゾンビ映画を撮影したジョージ・A・ロメロ監督の名前が出てくることからも、ゾンビ映画ファンに向けた小ネタも仕込まれていると思います。生憎僕にはわかりませんでしたが。

※ここまでがネタばれ

 

 

 

そんな訳でジム・ジャームッシュ監督作品のファンの方、ゾンビ映画のファンの方には強くお勧めしたい映画です。

しかし、それ以外で「なんか人気らしいから」とか「評判良いから」などの動機で劇場に足を運ぶのはあまりお勧めしません。

そんな方には是非、他のジム・ジャームッシュ監督作品を観て欲しいです。

「ナイト・オン・ザ・プラネット」や「パターソン」なんかがお勧めです。

 

それでは、最後までお付き合いありがとうございました。

あんまりおサボリ期間が長くなり過ぎないように適度に更新していきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 

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