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チェイサー


チェイサー(字幕版)

なんつー・・・

観終わった後、何とも言葉にし難い疲れと憂鬱さに襲われてしまいました。

連続女性殺害事件の犯人と、それを追う警察。そして一人で犯人を追う、元・刑事の物語。

話の大まかな展開だけで言ってしまうとありがちなサスペンス物です。

しかしその骨格に骨肉を加え、重厚な汗や油がまみれた人間ドラマにも仕上がっています。

証拠不十分で釈放されてしまう犯人。

警察のあまりにもずさんな捜査。完全な職務怠慢。

そして被害者の娘を保護したデリヘルの元締めこと元・刑事の男。

どいつもこいつもクソ野郎ばかりですので、序盤は苛立ちがつのる展開です。

特に犯人なのは間違いないのに、証拠を挙げられない警察の無能さと、犯人の飄々とした態度が頭にきすぎで観ているこちらは発狂寸前にまで追い込まれます。

そして、中盤以降。ここから、この映画は圧倒的な力強さを放ちます。

主人公の元・刑事が被害者の娘に感情移入し、彼女の為に母親が生きていることを信じ走る、走る、走る。

無能な警察に振り回されながらも彼は犯人を追い、犯人は逃げる。走るシーンの連続です。本当に手に汗握る。

そして待ち受ける非常なまでの展開。

またもや証拠不十分で釈放された犯人、その後のストーリーはマジで怖いです。恐ろしすぎます。

もし主演が織田祐二なら絶対あんなに悲しいことにはならなかった。マジで織田祐二出てきてほしかった。

あのシーンに至るまでに、警察の怠慢に腸を煮え繰り返し、残酷な犯人に血管破裂寸前まで怒りを覚え、主人公の男の迷いや葛藤をしっかり描き、自然な流れで主人公を応援してしまっている中でのあの展開・・・なんやねん、涙出たわ悔しくて悲しくてやりきれなかった。本当に悲しくてテレビ消しそうになった。

そんな悔しさ一杯で迎えるラストシーン。

物凄い迫力です。鬼気迫るとはまさにこのこと。犯人と主人公の対比が物凄い。いやホント物凄い。

悔しさ悲しさ怒り虚しさ憎しみ、すべてが凝縮された圧倒的なシーン。

切ないエンドロールの曲が流れだした時、一気に力が抜けました。


あの、この映画本当に凄いです。緊迫した展開を2時間保ち続け、映像が何よりも力強い。無音のシーンや雨音のシーンがやたら印象深いのはその為でしょう。

韓国映画で一番好きなのは「殺人の追憶」でしたが、これは抜きました。

ハリウッドでも既にリメイク決定。ディカプリオ。ざけんな!

それにしても韓国映画はこの手の作品だと本当に良い物を作りますね。日本はまだまだ俳優至上主義の映画作りばっかりしてる気がするな。悔しいなあ。

パワーとかエネルギーとか、放っている力が本当に強いので、打ちのめされてしまいました。

お勧めです。

犯人の役の人、大森南朋に似てる。

あと、これは実際に起きた事件だそうです・・・なんつー・・・

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