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映画紹介「恋人たち」

こんにちは。

連日の映画紹介、今回は邦画「恋人たち」。

「ハッシュ」「ぐるりのこと」の橋口亮輔監督による2015年公開作品です。

 

この映画には大きな物語の軸となるものはなく、3人のメインとなる登場人物、それぞれのささやかな前進が描かれています。

通り魔殺人によって妻を殺された男・アツシ、平凡な主婦・瞳子、親友を想い続ける同性愛者の弁護士・四ノ宮。

この3人がメインなんですが、もう3人ともつらい。

アツシは犯罪被害者なのに社会からとても冷たく蔑ろに続けているし、瞳子は同居している夫と姑に虐げられて家庭に居場所が無いし、四ノ宮は階段から突き落とされる。

社会に怒りをぶつけようとするアツシ、妄想と不倫へと逃げる瞳子、他人を思いやれない四ノ宮。

それぞれの人となりが丁寧に描き出される作品であるがゆえにこの主人公たちの境遇にとてもつらい気持ちになりました。

この映画のテーマは「絶望と再生」。ですが描かれている大半は絶望です。それくらいつらいです。

死にたいと、消えてしまいたいと嗚咽を漏らすほどに彼らの抱えている悲しみは深くそしてとても孤独です。特に奥さんを殺されたアツシのパートはホントきついです。泣きました。しかし、彼を気遣い言葉をかける会社の先輩がもうね、ホントこれまた泣ける。社会に怒り、犯人を殺したいとぶちまけるアツシに「殺しちゃだめだよ。俺はもっとあなたと話したいと思うよ。」というね、これだけなんですけど。「あなた」という言葉がこの二人の距離感を物語ってますよね。そんな親しい間柄じゃないんだと思うんですよ。会社の先輩、黒田さんていうんですけど、この黒田さんも友達としてとか会社の後輩だからとかじゃなくて、ただ一人の人間としてアツシを心配して言葉をかけただけという常識的な礼儀的な優しさを見せただけなんじゃないかと。だけどそれがめちゃくちゃ染みる。染みてしまう。人って優しい。

社会に虐げられ居場所さえ保つことすらままならない毎日の中で、人と人との繋がりが3人にまた少しだけ一歩を踏み出させてくれる、そんな素敵映画です。ただめちゃくちゃ重いです。

すみません全然うまく説明できてないんですけど是非観て欲しい映画なんです。

きっと誰もが、誰かに恋うている。静かに泣いてそっと立ち上がれるそんな素敵映画。

 


恋人たち

Amazon Prime Videoで4月17日から19日までの週末セールで100円レンタルしてます。セールに入ってるのに気づいて急いで書きました。週末セールだからと言って週末に観なきゃいけない訳じゃないですから。レンタル購入後30日以内に視聴すれば良いんで。気になる人は今のうちに!この映画、普段はAmazon Primeだけじゃなくて松竹チャンネルも加入してないと観れない作品なんで。とか言って後々観放題にしれっと入ってたらホントごめんなさい。

あと素敵すぎるこの映画の音楽はAkeboshiの「Usual life」です。

Usual life (Special Ver)

Usual life (Special Ver)

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 それでは、また。

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