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相合傘≒密?

6月。

梅雨の季節という事もあって傘を手にする機会が多い。

街を歩けば色とりどりの傘が視界を彩り、見ているだけで楽しい気分になる。

先日、1つの傘の下で寄り添いまるで2人だけの秘密を共有するかのように相合傘をして歩いている若いカップルとすれ違った。

彼らのさしていた淡いブルーの傘と彼ら自身から発せられる初々しい雰囲気が合わさった、新緑のような空気感に思わず胸が温かくなった。

しかし、同時に「相合傘」というワードで私の頭に浮かんだのは「相合傘は3密には該当しないかしら?」という、ロマンもへったくれもない考えだ。

当然屋外であるし、すれ違ったカップルは2人ともマスクをしていた。該当するのはせいぜい「密接」の項目であろうが、そこまで心配していたら日常生活は立ち行かなくなる。

驚くべきは相合傘を見て「相合傘は密?」なんて野暮なことを考えてしまった、昨年なら絶対に考えもしないであろう自分の思考回路だった。

それは私に、間違いなく自分はコロナ後の世界に生きているのだと感じさせた。

新型コロナウイルスは私たちの生活を変え、そして人との距離をも変えた。

コロナ以後、リモートワークやオンライン飲み会なんて言葉が日常的に使われるようになり、直接顔を合わせなくてもパソコンやスマホさえあれば、自宅からオンラインで友人や同僚に会えてしまえる。それはとても便利だけれど「会う」ってのはそういうことなんだろうか。いや、もしかすると、そうやって疑問を挟む余地も与えないほどに、それが「会う」ってことになるんだろうか。それが淋しいだとかそれが嫌だなんて我儘が通じなくなるくらいに、それが日常になる日が来るのかもしれない。

コロナ以前の当たり前が少しずつ変わり、新しい当たり前が作られようとしている今。

例えば先日書店で見かけた、おそらく礼儀としてマスクをずらして店員さんに問い合わせをしたら「マスクをしてください」と注意されて激昂していた年配男性のように。

これから時勢と自分の価値観との違い、そのギャップに戸惑い苦しむ人は増えていくと思う。

制度や価値観、そして暮らし方。新しいものが増えて、古いものは消えていく。

それでも。

人との距離が「距離」として語られなくなった今。

降り注ぐ雨の中、自分と同じ傘に入ってくれる人。例えその人の分だけ自分の肩が雨に曝されようとも、その濡れた肩を見て存在を感じられる人。

そんな人に「会いたい」と思う気持ちがオンラインで昇華されてしまう日が来て欲しくはないなあと思う。

淡いブルーの相合傘の彼氏は濡れた肩を彼女に拭いて貰えたのかな。

そんな日常が当たり前に過ぎていく世の中であれば良いなと思う。

 

君とはずっと はからなくていい距離を見つけたいんだよな

そう思うんだよ

信じたいんだよ

寄り添いたいんだよ

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大切なものを大切にする距離まで変わってしまわないように。

それだけ大切にして生きていきたいのです。

 

 

臭っ。

 

今週のお題「傘」

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